数年前、悪しき魔竜と魔界の王が結託し、均衡を崩した。
三つの世界を手中に収めるべく、地上界、天界の支配を目論んだのである。
世界は混乱を極め、地上界の力無き人間達はそれに対抗する手段を得るために、強大な力を手に入れる事を望んだ。
すなわち、偉大なる存在をその意思で動かす事の出来る、竜の守護者となる事を。
各国の王族達が力を求め旅立ったが、竜を従え無事に戻ってきたのは、
デュークハルト王国第一王子セラフィをはじめとする、わずか数名の若者達のみであった。
<六種の竜が出会うとき、更なる強大な力が復活する>
その言葉の元に彼らは集い、迷いながらも、共に力を合わせる事を誓う。
また、事態を憂いていた天界の神の協力も得、彼らは着実に力をつけていった。
かくして、数ヶ月前に起こった天地を揺るがす最終決戦の末、彼らは見事勝利を得たのである。
長い長い戦いに、終止符が打たれた。
──そうして、今。
魔界では新たなる賢王が君臨し、荒れきっていた世界の統治をはかった。
それぞれの世界が、あるべき姿へと落ち着きを取り戻していく。
人々は竜の守護者達を英雄と讃え、祀り上げ、平和を心から喜んだ。
日常が穏やかにまわりはじめた、そんな矢先の出来事、である。